ハンコ注射という名でも知られているBCGの予防接種。
ほとんどの人が通る道とは言え、いざその時を迎えると赤ちゃん以上に親が緊張してしまいませんか?
私も息子を連れてドキドキしながら接種を受けてきたので、これから接種を受ける方の参考のために実際に経験した接種の流れや経過についてまとめてみようと思います。
BCGについて少しでも内容を知っておいて、当日は恐れずに接種を受けに行きましょう。
Contents
そもそもBCGは何のためにやるの?
BCGとは、結核の予防接種です。
結核は明治時代から昭和20年代までの間「国民病」と恐れられ、昭和25年まで日本の死亡原因の第1位でした。
医療水準の向上により薬をきちんと服用すれば完治できる時代になりましたが、今でも日本では年間2千人以上の人が命を落としている重大な感染症です。
乳幼児は結核に対する抵抗力が弱く重症化しやすいため、生後1歳になる前まで(目安生後5か月~8か月の間)にBCG接種を受けることが推奨されています。
BCG予防接種はいつどこで受けることができる?
BCGの予防接種は集団接種を行なう自治体と個別接種を行なう自治体があるので、自分の住んでいる地域がどちらに属しているのかを確認する必要があります。
私が住んでいる地域では、定期的に市の保健センターで無料の集団接種が行われていました。
4か月検診を受けた時に接種の案内を受けたので日程を合わせて受けに行くことに。特に予約は必要ありませんでした。
(接種時の息子の月齢は生後6か月に入った頃でした。)
BCGワクチンってどんなの?
BCGとは一体どういったものかというと、牛型結核菌を弱毒化してつくったワクチンです。
接種方法は、管針法といってスタンプ方式で上腕の2カ所に押しつけて接種する方法。
それ以外の場所に接種するとケロイドなどの副反応が出る可能性が高くなるので、絶対に避けなければなりません。
予防接種当日の準備
子供の様子を観察する
朝起きたらまず体温を測ってみます。また、「食欲はあるか」「うんちやおしっこの状態は異常ないか」「鼻水やせきはないか」「機嫌が悪くないか」など、子供の様子に普段と違ったところがないか、よく観察します。
普段に比べて調子が悪そうなときは、その日の接種をあきらめましょう。
また、腕にステロイド剤や軟膏を塗布している場合は、BCGワクチンの接種をすることができないので注意が必要です。
当日の息子は熱もなく体調もいつも通り問題なし。
というわけで予定通り接種を受けに行くことに。
家を出る前に、最後の記念に「押される前」の腕の写真を撮影しました(笑)
特に何が変わるというわけでもないのですが、この「押される前」のツルツルの腕を見るのはこれで見納めか…と思うと、なぜだかやけに切なくなりました(笑)
BCG予防接種の持ち物・服装
予防接種に持って行ったほうがいいのは次のようなもの。
・母子健康手帳
・印鑑・保険証(個別接種の場合、必要なことがある)
・予診票(あらかじめ手元にある場合)
・ハンカチ(ガーゼ)・ティッシュなど
・普段のお出かけグッズ(着替え・おむつ替えセット・ミルクセット・お気に入りのおもちゃなど)
ちなみに服装は、注射しやすいかと思ってタンクトップを着せていったのですが、私が行った会場ではどんな服装であろうと服を脱がないといけないというシステムであまり意味がありませんでした(笑)
BCG予防接種の流れ
保健センターに到着
接種会場に入るやいなや、あちこちから赤ちゃんたちの悲鳴・泣き声が聞こえてきて、私も思わず動揺してしまいました…。
他の子の泣き声を聞いて息子ではなく私の方が目がウルウルしてきてしまうという情けない状態に…(笑)
夫が仕事の調整をして一緒に会場に来てくれたので本当に良かったと思いました。
いざ、接種!
BCG接種は、ワクチン液を上腕に垂らし、9本の針がついたスタンプを2カ所に押しつけて体内に入れ込みます。
先生も慣れているので作業は素早く、液を塗ってからポンッとスタンプを押すまで時間にして約15秒ほど。
緊張する間もなく、あっという間のできごとでした。
覚悟はしていましたが終わった直後から大泣きした息子。
抱っこしてなんとか落ち着かせながら隣の待合いスペースへ移動し、ワクチン液が乾くまで待機することに。
待機中は液が完全に乾くまで何も触れないように気を付けなければいけません。
赤ちゃんなのでよく動くし、保護者の髪の毛すら触れてはいけないので、地味に気を使い大変でした…。
15分程でようやく液が乾き、スタッフの方にチェックをしてもらって、全て終了!
家に帰ると何事もなかったかのようにケロッとしている我が子。さっきまでの涙はいずこへ…
機嫌よく遊んでいる上腕には、男の勲章が輝いていました(親バカ)。
接種会場で聞いた予防接種後の注意事項は以下の通り。
- 接種をした日は入浴してもかまいません。
- 接種をした部位をこすらないようにしましょう。
- 接種をした日はいつも通り過ごしてかまいません。
- なるべく激しい運動は避けるよう心がけましょう。
何か特別なことをする必要はなさそうですが、この日は家でできるだけまったりと過ごしました。
BCG接種後の経過
BCG接種後の経過は、終わった直後よりもかなり後で強い反応が出てくるという、少し変わった結果の現れ方です。
一般的な経過としては、以下のような感じ。
接種後10日頃から接種したところに赤いポツポツができる→接種後4週間頃に最も赤みが強くなる→かさぶたができて接種後3か月までには治り、小さな傷痕が残る
上記のような経過は正常な反応で、BCG接種により抵抗力(免疫)がついた証拠です。
以下、我が家の息子の接種後の経過の記録です。
当日の夜
お風呂に入ってもいいとのことでしたが、なんとなく心配なので入浴時間はいつもより短めにしました。
翌日
少し跡が薄くなりました。
7日後
さらに目立ちにくくなりました。
24日後
やや赤みが濃くなってきました。
27日後
赤いポツポツがはっきりとしてきました。
赤みに関してはこの時がピークではないでしょうか。
35日後
かさぶたができてきました。
38日後
かさぶたが乾燥しています。
46日後
かさぶたが乾き、自然に剥がれてきています。
57日後
かさぶたがほとんど剥がれ落ちました。
4ヶ月後
ほぼ注射の跡が残っているだけになりました。
息子の場合は接種後1~4週間頃に赤いポツポツができる→その後かさぶたができる→自然に取れて小さな傷跡が残るという、一般的な経過そのものだったと思われます。
ひどく腫れたり炎症を起こすことがなかったので良かったです。
副反応について
副反応としては、接種した側のわきのリンパ節がまれに腫れることがあります。
通常、放置して様子をみてかまいませんが、ただれたり、大きく腫れたり、まれに化膿して自然にやぶれてうみが出ることがあります。
異常を感じた際には医療機関やこども健康課に相談しましょう。
コッホ現象について
結核の感染を受けている人にBCG接種を行った場合、接種後早期(接種後1、2日から遅くても10日まで)に接種部位の発赤や化膿、腫れといった反応がやや強く出ます。このような反応をコッホ現象といいます。
局所の反応は、特別な治療を行わなくても接種後2週間から1カ月以内には治りますが、結核の感染が心配されるので、このような反応が出た場合は市保健所疾病対策課へ連絡しましょう。
経過観察は長い目で注意深く!
今回息子は特に予期せぬ副反応は出なかったので一安心でした。
接種部位はすぐに反応が出るわけではなく、約1か月後に時間差でピークがくるので、長い目で経過を観察する必要がありますね。
様子を見ていく中で、「コッホ現象」が疑われる場合や、化膿してうみが出てきたり、ひどく腫れたり等、少しでも異変を感じるようでしたら医師に相談してみましょう。