先日、息子が突発性発疹になりました。
今までなんとなく聞いたことはあったものの、この病気の本当の怖さは、体験して初めて知ったのでした。
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突発性発疹(とっぱつせいほっしん)とは?
突発性発疹とは乳幼児期の赤ちゃんの代表的な病気で、発熱と発疹を伴うウイルス性の感染症です。
生後6カ月頃から2歳までに発症すると言われている病気で、ヘルペスウイルス6型(HHV-6)と7型(HHV-7)が原因で起こります。
感染経路は、唾液などを介してうつる飛沫感染、気道感染と言われていますが、はっきりとはわかっていません。
感染から発症するまでの潜伏期間は10日程度です。
突発性発疹の症状と経過
すべての子が同じような経過をたどるわけではありませんが、典型的な経過としては38°C以上の発熱が3日間ほど続いた後、熱が下がってくる直前もしくは下がり始めてから、赤い発疹が体を中心に顔、手足に数日間出現すると言われています。
以下、我が家の息子(1歳7ヵ月)の経過を振り返ってみたいと思います。
1日目(日曜日)
朝から体が熱いなと思い体温を計ると37.8度。
熱はあるものの、割と元気でいつも通り自宅で過ごしていました。
2日目(月曜日)
体温は38.5度に。
昨日とは違ってぐったりした様子。
普段は食欲旺盛な子ですが、体が辛いのかご飯を用意しても一口も食べません。
かかりつけの小児科が休診日だったので違う病院へ。
「鼻からきた風邪かなぁ?」と診断され、ひとまず薬を処方されました。
3日目(火曜日)
体温39.0度。
朝からぐったりしている様子。
食事をとりたがらず、せめて水分だけでもとらせたいのですが、何を与えても飲もうとせず。
約2日間まともに飲み食いしていないのでかなり心配し、かかりつけの小児科へ連れていくことにしました。
小児科にて血液検査をしてもらい、今のところ肺炎などの心配はないとの診断。
診察を受けている間、息子は終始暴れながら泣き叫んでいて、「これだけ暴れる体力があるならまだ心配しなくても大丈夫。」と先生に言われ、あっさりと診察が終了。
帰宅後は再度ぐったりと元気がない様子。
眠れたら少しは楽になりそうなものの、10分程ですぐに目が覚めてしまい大泣き→抱っこであやして寝かすの無限ループを繰り返しました。
熱は39.5度前後を行ったり来たりしていて、適宜坐薬を入れつつなんとか1日やり過ごしました。
すっかり得意になった坐薬の入れ方はこちらで書いています▼
4日目(水曜日)
体温39.4度。
高熱でかなりぐったりした様子。
時折たどたどしい言葉で「いたいいたい」と連呼しています。
食事も飲み物もほぼ口にせず。
なんとか水分だけでもとらせたいのですが、飲ませようとすると全力で拒否されます。
唇がうっすら白くなってきていて、脱水症状を起こしていないか心配で再度病院を受診することにしました。
先生に診てもらったところ、まだ脱水症状は起こしてないのでもう少し様子を見るようにとのこと。
引き続きこの状況が続けば、明日あたりに点滴を検討してもいいかもしれないね、と言われました。
「こんなに辛そうなのにまだ様子見だけでいいの!?」と少し心配しましたが、先生が言うなら間違いないのだと思い、むやみに点滴を入れるよりかはこれでいいんだと、自分に言い聞かせました。
帰宅後、ジュースでもお菓子でもなんでもいいからとにかく何かを口にしてほしいと思い、色々試してみたところ、ようやくバニラアイスクリームだけ2~3口舐めました。
ほんの少しだけ安心した瞬間でした。
引き続き高熱で辛そうですが、坐薬を入れたり、時々アイスを2~3口含ませたりしつつ、何とかこの日も1日やり過ごしました。
5日目(木曜日)
朝一体温を計ると37.4度。
熱の山場はどうやら超えたようです。
ほんの少しだけ食欲も回復したのか、雑炊を少し口にしました。
量で言うと普段の3分の1くらいですが、大進歩です。
夜にかけて37.0→36.8度と、平熱へ戻っていったのですが、この日はかなりよく泣いていてほぼ1日中抱っこした状態で過ごしました。
夜になっても一向に泣き止まず、今日は本当によく泣くなぁと思いながら、泣いている息子の首周りがだんだん赤くなっている事に気がつきました。
この時初めて私は「突発性発疹」という言葉が頭をよぎりました。
そして熱が下がりホッとしたのもつかの間、ここからがさらに試練の始まりなのでした…。
突発性発疹という名の不機嫌病
6日目(金曜日)
36.9度。
熱は下がったものの、赤みはますます広がり全身に発疹が現れました。
足首や足の裏にまで発疹が出ています。
なんとなく判断はついていたのですが、病院に連れて行ったところ、診断されたのはやはり「突発性発疹」でした。
息子は朝起きた瞬間から泣き叫んで、この日は本当に1日泣き続けていました。
泣いて抱っこを求めてきたと思いきや、抱っこしたらしたでのけぞって嫌がり大暴れ。
抱っこしなくても嫌、抱っこしても嫌、ほっといても嫌、かまっても嫌、もう本当に手のほどこしようがありません。
息子が夜に眠りについたことでようやくこの日初めて家から泣き声が消えました。(虐待を疑われて通報されてもおかしくないレベルでした…。)
熱が下がったということで病院から保育園の登園許可がおりたたので、とりあえず翌日からは保育園に預ける事に。
7日目(土曜日)※発疹が出てから3日目
朝起きた瞬間からものすごい泣き声で目覚める。
体温は36.7度。
すっかり熱はないものの、何をしていてもひたすら不機嫌です。
大好きな「おかあさんといっしょ」を見ても泣いて、大好きな電車のおもちゃを差し出しても泣いて、「どうせ何をやっても泣いているんでしょ」と、もうこちらも半ばあきらめモードに。
息子は泣きながら朝食と身支度を済ませてこの日は保育園へ登園。
先生に事情を話して後を託しました。
保育園でも泣き続けるのか…と心配しながらなんとか1日仕事を終え、夕方頃にドキドキしながら保育園へお迎えに行きました。
お迎えに行ったときは案の定泣いていましたが、先生が言うには日中は泣き止んでいた時間も割とあったとのこと。
でも、お昼寝も泣いてすぐに起きてきたり、泣いていない時でもムスッとしていて終始不機嫌だった様子とのこと。
それでも最後に「息子くんは、なんとか頑張って1日過ごしてくれましたよ!」と笑顔で送り出してくれた息子の担任の先生。
保育士をしていたら突発性発疹の子どもの対応をすることも珍しくないのでしょうが、日々子どもたちの様々な機嫌に付き合いながら面倒をみてくれる先生方には本当に頭が上がりません。
そして帰宅後、再び大声で泣き出す息子。
外にいる時は泣き止んでいるのに家に入った瞬間に泣き出すなんて、息子は自分の家が嫌いになってしまったんじゃないかと何度も絶望しました…。
あまりに泣き叫ぶので喉が枯れるんじゃないかと心配してお茶を差し出すも、手を振り払って泣き続けています。
この日も眠りにつくその時まで泣き続けたのでした…。
私も夫も長らく息子の笑顔を見ていないことで、かなり精神がえぐられたような感情でしたが、夫婦で「時間が経てばきっと終わりがくる!」と励まし合って過ごしました。
8日目(日曜日)※発疹が出てから4日目
この日も朝起きた瞬間からものすごい勢いで泣き叫んでいます。
息子の泣き声で目覚めることにはすっかり慣れ「あぁ、もう朝か」という感覚なのですが、不思議なことに子どもの泣き声というのは何日たってもなかなか慣れません。
泣いている理由がわかっていて、いつか終わりがくるということもわかっているのに、息子の泣き声は本当に私の胸を締め付けてくるのが不思議です。
これが母性本能というものなのでしょうか。
この日は日曜日で、私は仕事に行き、夫が家で子守をすることに。
心配していましたが、朝から夫と息子が2人で過ごしていると、ほんの少しだけ機嫌がいい時間が増えてきたようです。
何かの拍子ですぐ泣き出してしまうのですが、夫が息子をあやすと時折喜んでいるような感じ。
基本的には機嫌が悪く、泣いている時間が多いものの、ご飯を食べる時は泣き止むようになる。
でも、食べ終わるとまた泣き叫ぶ。
夕方に私が帰宅してからも、大好きなおもちゃを使って気をひくと嬉しそうな顔を見せてくれる瞬間がほんの少しですが出てきました。
泣いたり泣き止んだりを繰り返し不安定な状態ですが、もしかしたら不機嫌病の終わりが見えてきたのでは!?と、夫婦でゴールの光が見え始めた夜でした。
9日目(月曜日)※発疹が出てから5日目
朝起きると突然、息子が隣でニコニコしている…!
「ん?パパぁ?ママぁ~?」と、笑って首をかしげながらこちらをのぞき込んでいます。
長らく見ていなかった息子の笑顔を見て、夫婦で感動。
息子は普通にニコニコしているだけなのですが、久しぶりに見た穏やかな息子の姿に、思わず夫婦で手を合わせて喜んだ瞬間です(笑)
この日から嘘みたいにピタッと泣かなくなり、元通りいつもニコニコの息子に戻ったのでした。
気が付けば発疹もきれいになくなっていて、無事一件落着です。(不機嫌病の対応に必死すぎて、いつから発疹が消えていたのか不明…)
発疹が出てから4日間、最初に発熱した時から考えると計8日間の長い戦いでした。
もちろん熱と不快感に耐えて乗り越えた息子も十分称えたいですが、私たち両親も今回のことでかなりの試練を乗り越えたような気分で、夫婦そろって一つ成長した気がしています(笑)
突発性発疹の時、「不機嫌」のピークはいつ?
我が家の息子の場合、発疹が出始めてから2~3日がピークだったように思います。
ピークの間はあやしても抱っこしても大好きなおもちゃを見せても、何をしても泣き叫んでいる状態で、本当に喉が枯れるんじゃないか?と心配になりました。
しかしピークの間でも保育園に行っている間は泣き止んでいたようなので、不思議なものです…。
保育園では泣きはしないものの、終始笑顔がなくムスッとしていたり、体力が落ちているせいもあってかいつものように走り回らずに、ボーッとしていることが多かったようです。
私や夫のような身近な存在であるほど、甘えモードになって泣きわめくことで、苦しさを全身で表現しているのかもしれませんね。
外でいる時は必至で我慢しているのかもしれないと思うと、なんとも健気でたくましい息子だなと思いました。
突発性発疹は保育園に行ける?
突発性発疹の場合、一般的に「解熱後、全身の状態が良く機嫌がいい場合」は保育園に行って問題はないと言われています。
しかし園によっては、発疹があると登園は難しいと判断される可能性もあるので、心配な場合は保育園の先生に相談してみてくださいね。
息子の保育園の場合は、病院で登園許可をもらって「登園届」を提出することで預ける事が可能でした。
突発性発疹のその後
ようやく終わった不機嫌病。
息子は今まで何度か熱を出したことがありますが、看病するのがこんなに辛いと思ったことはなく、正直言って親の私が挫けそうになりました…。
しかし時間が経てば必ず終わりがやってきます。
回復した後は息子の一挙一動が本当に天使のように可愛く思えて、今までより一層愛しく感じるので、苦しんだ日々もきっと糧となっているはずです。
これを書いている今もどこかで突発性発疹に苦しんでいる子どもとその親御さんがいるなら、「終わりがきっと来るので頑張って!」というエールをおくりたいと思います。
ちなみに突発性発疹のことで、私はかなりの期間仕事を欠勤してしまい、この後土日も返上でずいぶんたくさん連勤することになりました…こちらも頑張った私を自分で褒めたいと思います(笑)
まぁ、息子のことを心配している時の苦しさを思えば仕事の辛さなんてなんのそのですが。
子どもの体調不良と仕事の向き合い方についてはこちらで書いています▼